ヨーロッパ近世の開花 (世界の歴史)
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ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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人気ランキング: | 150578 位
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読みやすい文章は一般人にとってありがたい執筆姿勢だと評価しています
16世紀のヨーロッパ史の知識は受験勉強の範囲を越えないので、少し記憶のブラッシュアップと当時の人々の生活を知りたいと思い本書を手に取りました。従来の通史のイメージとは違い、読みやすく門外漢でも分かりやすい記載は相当好評価を与えたいと思っています。
長谷川輝夫氏、大久保桂子氏、土肥恒之の3人の分担執筆です。3人の間で文体の統一や記述内容へのアプローチは当然議論をされたとは思うのですが、個人的には大久保桂子氏の書かれたものが一番印象的でした。従来の政治史を中心とした事象の羅列ではなく、執筆者の心象風景として捉えた近世ヨーロッパ論のようなアプローチがとても新鮮に映りました。歴史学者に文才は必要だ、ということを感じさせた書籍でした。
無味乾燥な人物と出来事の羅列が世界史離れを起こしている訳で、それとは対極に位置する歴史書として大いに評価したいと思います。他の2人の執筆者も基本的にはそのような態度で臨んでいますが、徹底されていないのが少し残念です。とは言うものの良く練れた文章であることに間違いはありません。
記載内容と史実との関係は、門外漢ゆえ論評できませんが、巻末にかなりの参考文献が紹介されていますので、それらの記述に則っているのでしょう。
豊富に収録されたカラーの図版や地図、肖像、系図、グラフによって本文の理解は進みます。美術好きですので、多くの肖像画はそれを眺めているだけで結構堪能できました。
宗教対立と覇権争いに端を発した戦争はヨーロッパを苦しめます。ヨーロッパ諸国が繰り返し戦争をせざるをえない状況に理解を示しながら、愚かな人間の精神構造をも如実に表わすような歴史書だったと思います。
試みは面白いのだけれど……
イギリスとスペイン2つのヨーロッパ的辺境国を対置して概観している本であるが、 スペインの歴史を勉強している私には、奇異な点が見られた。 「カスティーリャでは、名門爵位貴族が所有する土地が、カスティーリャ全体の97%を占め……」 この記述はおそらくビセンス・ビーベスの『スペイン』からきているのだと思うが、彼は「貴族たちが……半島の97%を何らかの形で保持していた」と述べているだけなのである。 つまり「貴族たち」=「爵位貴族+騎士+郷士+都市貴族など」であり、 「何らかの形」=「領主裁判権、所有地」を意味しているのである。 (「ハイメ・ビセンス・ビーベスと所謂エスパニャ史学の革新」『札幌大学総合論業』、第四号、1997年を参照) 大多数の貴族がことを示そうとするあまりこのようになったのかは分からないが、 参考文献を見るに最新の研究成果を反映しているとは言えず、スペイン史に関しては疑問が多く残った。 せっかく全編カラーページで、図表を多用していて読みやすいものなのに……
中央公論社
世界の歴史 (16) ルネサンスと地中海 西ヨーロッパ世界の形成 (世界の歴史) 近代イスラームの挑戦 (世界の歴史) アメリカとフランスの革命 (世界の歴史) 世界の歴史 (6)
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